
『還(めぐ)りの森』 2021 浅野友理子
漆とロック株式会社
― 漆を通じて、天地(あめつち)を想う。
“漆器”は太古の昔から現代まで、
アジアの人々が繋いできたもの。
日本でも縄文の人たちが、
数千年前から驚くような技で
漆という素材を使いこなし、
暮らしや祈りの道具を生み出してきました。
「木」の優しい音と軽さ、安心する温もり。
「漆」のしっとりした艶、ふっくらした肌。
日々のごはんが美味しく、やさしく整う嬉しさ。
使い込む程に器が育ち、長年使って少し疲れてきたら、
お直ししながら受け継いでいく。やがて天地に戻す時まで。
生と死の循環の中に在る、確かさ。
それは、
自然に生かされてきた「木の国の民」である
私たちの根源にあるもの。
だから私たちは、会津の土地から、
漆を通じて山と人の関係を紡ぎ直しています。
漆とロックは、作り手の皆さんと一緒に活動する
「漆の繋ぎ手・伝え手」です。


「めぐる」は、漆とロック株式会社が企画・運営・販売する、
2015年に会津で誕生した正統的な漆器です。
漆の器が持つ心地よい肌触りや口当たり、
そして抱き上げたくなる優しいかたちを追求するため、
“触覚のアドバイザー”として、
暗闇のソーシャル・エンターテイメント
「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」でアテンドとして活躍する
全盲の方たちに商品開発に加わっていただいています。
禅の修行で使われる器に範を取った
三つ組椀<水平><日月>や
漆のさじ<めぐるの匙>を中心に、
平皿や酒器・折敷・蓋物椀など、
品良くシンプルで使いやすい食器を展開しています。
国産の漆を使い、会津の職人たちが正統な技法で製作。
お直しは産地の若手職人たちのお仕事に。
売上の一部が次の漆の植栽に活用されます。
漆に関わる生態系や自然素材を守り、
漆器のものづくりの裏側を伝えていくために、
“適量・適速生産”を掲げ、
全く新しい予約制共同購入の仕組みを取り入れています。
2015年・2020年グッドデザイン賞、
2015年ウッドデザイン賞を受賞。
公式サイト: http://meguru-urushi.com/


漆とロック株式会社 代表
貝沼 航 プロフィール
1980年福島県福島市生まれ。
学生時代はバンドとインドに明け暮れる。
東京の大学を卒業後、会津若松市に移住。
サラリーマンをしていた20代前半に、
漆器の工房を訪れたことが転機となる。
そこで見た会津の職人たちの姿に信念に忠実な
「ロックな魂」を感じて心惹かれる。
その光景が忘れられず、25歳の時に
会社を辞めて「漆とロック」を起業。
2011年、震災を期に
これまでの便利な暮らしの脆さを痛感し、
自然のリズムで生きる暮らしのあり方を
取り戻していきたいと考えるようになる。
その中で、縄文時代から日本人が森を育て作ってきた
「漆器」という存在の価値に改めて気付かされるようになる。
数年かけて「漆の器とは何か」を自分の中で
哲学していく時間を作った後、現在の活動を開始する。
作り手と使い手を繋ぐ産地ツアーや
国産漆の植栽活動にも取り組んでいる。


漆の物がたり映像
あなたが日々の食事で手にする“うつわ”は、
どこからやって来て、どこへ行くのだろう?
樹木のめぐみからできた器は、
様々な食材と交わりながら、
あなたの身体と心の中へ。
ここに紹介するのは、私たちが作った
全くテイストの違う2種類の映像ですが、
長く巡っていく、うつわとあなたの物語を見つけてください。
Contact
E-mail:info[at]urushirocks.com
Tel: 0242-85-6803(不在時は代表者の携帯に転送されます)
Address:〒965-0862 福島県会津若松市本町5-49
漆とロック株式会社 代表 貝沼(佐原) 航

本サイト内の挿絵は全て、画家の浅野友理子さんに描き下ろしていただきました。